Skip to content

なぜ今瞽女なのか

「もんてん瞽女プロジェクト」を企画する二人のプロデューサーの言葉

一昨年秋、伊東監督から届いた「40年前に撮影した瞽女さんのフィルムをもとに映画を作りました」というメール。これが今回の企画の始まりでした。
私は、小さな会場での内輪の試写会で出会った瞽女さんたちの貴重なフィルムに、心を奪われてしまったのです。34分という短い映画の中には、さまざまな見方のできる要素がいっぱい詰まっていて、まるで現代的テーマの玉手箱のようでした。

たくさんの人にこの映画を見せたい!と思った私は、真っ先に、これまでさまざまなチャレンジを実現してきた門仲天井ホールの支配人・黒崎さんに相談。そこでできあがったのが、この6回シリーズの企画でした。

瞽女さんの唄を音楽という視点からアプローチする、ごく当たり前のテーマですが、アメリカ人のグローマーさん以外、ほとんど本格的に取り組んだ人はありませんでした。
瞽女さんの芸については、実際にご自分でも放浪芸をテーマに演劇活動を続けている中西さんに。
さらにこの映画は、瞽女さんの日常生活が描かれていることも重要なポイントでした。
そこで映画からくみ取ることのできる民俗学的なアプローチを板橋さんにお願いしました。
盲目の瞽女さんが芸人として働くことで生計を立て、地域に根付いて生活していたことも、現代の福祉を考える上で大変示唆に富んでいます。そこで、こうした視点から上之園さんに話のきっかけを作っていただくことにしました。
さらにこの映画は現代社会に生きる私たちに、「瞽女さん」を通して見えてくる、さまざまな問題を提示しています。ジャーナリズムという視点からこの映画を見ると、何が見えてくるのか。この点を下村さんの切り口で話していただこうと考えています。
最後に登場していただく市川さんは、高田で親子2代にわたって瞽女の研究をしていらした方。まとめにあたるこの回では、瞽女さんとともに生きてきた高田の、「瞽女さん」を核にした地域おこしについてお話しいただく予定です。

今回の企画の大きなポイントは、制作者やゲストが観客と共に語り合う場を設けて、活発に議論し、考えていこうというところです。6回シリーズが終了したところで、ドキュメンタリー映画「瞽女さんの唄が聞こえる」が私たちに教えてくれるものが浮かび上がってくることを期待しています。

斎藤弘美(メディア・プロデューサー)
///////////////////////////////
2009年の8月、斎藤さんが伊東監督を伴って門天ホールにいらしゃいました。
一連のお話をお伺いしていざ解散という時に、伊東監督から”映画をご覧になる時間はございますか”と問いかけられ、その場でドキュメンタリー映画「瞽女さんの唄が聞こえる」を鑑賞させていただきました。34分の映像は、実に多くのことを私に語りかけ問いかけてくるものでした。
映画に登場するキクイさんの瞽女唄に圧倒されながら、この映像を通して見えてくる日本の断片を切り取って深めてみたいという衝動がこの企画の出発点となりました。
その後、伊東監督、斎藤さんと会議をすすめるなかで、会議への参加者はひとりまたひとりと増え続け、門仲天井ホール・瞽女プロジェクトとして活動を展開している次第です。
世代を超えて、地域を越えて、理解し合うことがままならぬ時代だからこそ、この映画を肴に座談をしてみたいと願っているのです。

黒崎八重子(門仲天井ホール支配人)

Advertisements
%d bloggers like this: